JADS年次大会関連企画/国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター 国際研究集会
JADS年次大会関連企画/国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター 国際研究集会
国際シンポジウム「アート・歴史分野における国際的な標準語彙(ボキャブラリ)の活用 -- Getty Vocabulary Programの活動と日本」
日時:2018年6月16日(土) 13:00〜17:15(12:30 受付開始)
会場:国立歴史民俗博物館 講堂
アクセス:京成本線 京成佐倉駅から徒歩15分もしくはバス、またはJR総武本線・成田線 佐倉駅からバス
http://www.rekihaku.ac.jp/information/access.html
参加費:無料
参加申込み:申込みフォーム
※2018年6月11日(月)締切
主催:アート・ドキュメンテーション学会/国立歴史民俗博物館 メタ資料学研究センター
後援(予定):記録管理学会、情報処理学会CH研究会、情報知識学会、
全国大学史資料協議会、全国美術館会議、デジタルアーカイブ学会、
日本アーカイブズ学会、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会、
日本ミュージアム・マネージメント学会
プログラム:日英同時通訳あり
13:00 開会挨拶 西谷 大(国立歴史民俗博物館副館長)
13:10 趣旨説明 後藤 真(国立歴史民俗博物館)
13:20 講演1
The Getty Vocabularies: Access to Art History through Multilingual Thesauri
ゲティ語彙集:多言語シソーラス(分類語彙)を通じた美術史への接近
Jonathan R. Ward ジョナサン・ワード(米国ゲティ研究所 Getty Vocabulary Program シニアエディター)
講演2
AAT台湾:多言語の知識表現・組織化基盤の設計、実装、応用
Sophy Shu-Jiun Chen ソフィー・チェン(台湾 中央研究院歴史語言研究所 助研究員)14:40 休憩
15:00 <話題提供>日本におけるシソーラス・語彙集に関する情報蓄積または情報源について
・日本美術人名情報 橘川 英規 (東京文化財研究所)
・歴史地名情報 関野 樹(総合地球環境学研究所)
・企業史分野の事例 茂原 暢(渋沢栄一記念財団)
・現代美術分野の事例 本間 友(慶應義塾大学)
・Linked Open Dataの事例 嘉村 哲郎(東京藝術大学)
15:50 パネルディスカッション
進行:後藤 登壇:ワード、チェン、橘川、嘉村
17:00 閉会挨拶 前田 富士男 (アート・ドキュメンテーション学会会長)
*18:30〜 懇親会(情報交換会) 登壇者を交え、場所を変えて行います。 ぜひご参加ください。
参加費:6,000円(学生 3,000円)
会場:ウィシュトンホテル・ユーカリ(京成本線ユーカリが丘駅直結、歴博からの移動は迎バスあり)
※ プログラム、登壇者等の詳細は、追ってJADSウェブサイト、または歴博・メタ資料学研究センター等で発表します。
<企画趣旨>
アート・ドキュメンテーション学会(JADS)が活動目的として掲げる「芸術一般に関する資料を記録・管理・情報化する方法論の研究と、その実践的運用の追究」の中核をなす対象のひとつに、標準語彙(ボキャブラリ)があります。これは、人名、作品名、地名、ジャンル・概念などの表記や定義を標準化し、語形や表記の変化・揺れや同形異義語などを整理することで、さまざまな事物・概念を整理でき、記録・情報化や理解を助けるものとなります。この標準語彙については新たな開発や実践の動向がみられます。例えば、さまざまな言語で構成された標準語彙を連携させ、国際レベルでの標準化を行うことや、LOD(Linked Open Data)のしくみを活用し、さまざまな領域や情報源(OPAC、データベースなど)を横断して情報の組織化を実現することが挙げられます。
芸術分野でその中心的な役割を担う機関のひとつが米国ゲッティ研究所(Getty Research Institute)で、Getty Vocabulary Programと総称される標準語彙の策定・活用の現状と構想については、JADSや関連機関・学会等での研究発表、及び同研究所からの来日講演などにより、日本でも知られるようになっています。
一方、日本の国立歴史民俗博物館(歴博)は、2015年度からメタ資料学研究センターを設置し、新しい異分野連携・融合のモデルケースたりうる新学問分野として「総合資料学」の創成を目指す研究を続けています。この研究の3つのユニットのうちのひとつ「人文情報ユニット」では、「大学や博物館の資料情報や研究成果をLinked Data等でつなぎ、各研究機関の資料や博物館資料をより活用可能にする」ための研究を行っており、「国際的な標準語彙の活用」もその主要要素のひとつに位置づけられています。日本の美術・歴史とも、国際的な観点で注目が集まり、また国際的な視野から考察を行う必要があり、そのカギのひとつに「国際的な標準語彙の活用」があると言えます。
本シンポジウムでは、Getty Vocabulary Programの概要と実践事例を紹介しつつ、日本の関係者・関係機関がこのプログラムに関与することで拓かれる可能性や、その実現のための課題を論じることといたします。
<Getty Vocabularies>
アート、建築、装飾芸術、アーカイブ資料、視覚資料、保存修復、書誌資料に関する構造化された用語を整理している語彙集。2015年からLODでの公開・提供開始、リレーショナルテーブルとXMLでも提供される。CDWA (記述標準)やCCO (目録規則)、VRA Core (メタデータスキーマ)、LIDO (XMLハーベスティングスキーマ)、CIDOC CRM (概念モデル)などの他の標準に準拠、マッピングされている。
The Art & Architecture Thesaurus (AAT):アートと建築のシソーラス。アート、建築、保存修復、考古、その他の文化資源に関する一般的な概念の用語、解説、その他のメタデータで構成される。資料タイプ、様式、材質、技法などが含まれる。
The Getty Thesaurus of Geographic Names (TGN):地理的名称のシソーラス。現存する歴史的都市、国、遺跡と、アートと建築の研究に重要な物理的な特徴形相に関する名称、解説、その他のメタデータで構成される。GISや地図、その他の地理的資源にも関連づけられている。
The Cultural Objects Name Authority (CONA):文化財の名称典拠。アート、建築、その他文化的遺産の資料(作品)に関する題名、属性、描写主題、その他のメタデータを編集したもの。現存するもの、歴史的なもの、物理的なもの、概念的なものを含み、博物館・美術館のコレクションやアーカイブ、図書館、学術研究などに関連づけられる。
The Union List of Artist Names (ULAN):アーティスト人名総合名鑑。芸術家、建築家、企業、スタジオ、博物館・美術館、後援者、介助者、その他の芸術・建築の創造・研究に関与する人物やグループの名称、バイオグラフィ、関係人物、その他のメタデータで構成される。
詳しくはウェブサイトをご参照ください。
※本シンポジウムのチラシはこちらからダウンロードできます。